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🌊 なぜ「塔のへつり」は海だったのか?
塔のへつりの奇岩は、主に凝灰岩(ぎょうかいがん)という火山灰が固まってできた岩で形成されています。
この地層は、数百万年前の新生代第三紀(およそ1000万年前)に、海底や湖底に堆積した火山灰や泥などが長い年月をかけて固まったものです。
そのため、当時この地域は海や湖のような水域であったと考えられており、現在の断崖絶壁はその後の隆起(地殻変動)と侵食(川の流れや風雨による浸食)によって形成されたのです。
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🪨 地質学的な見どころ
凝灰岩層:柔らかいため、風化・侵食されやすく、現在のような独特な岩の形になりました。
塔のような形:浸食に強弱がある地層が積み重なっているため、柔らかい部分だけ削られ、硬い部分が残り「塔」のように見えるのです。
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🏞 地形の歴史を感じる場所
塔のへつりを訪れると、数百万年という地球の歴史を感じることができます。奇岩の形状も、自然が作り出した芸術としてとても見応えがあります。
「塔のへつり(とうのへつり)」は、福島県南会津郡下郷町にある景勝地です。以下に概要を紹介します。
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🌄 基本情報
所在地:福島県南会津郡下郷町弥五島下タ林
名称の意味:「へつり」とは、会津地方の方言で「断崖」や「急斜面」を意味します。「塔のへつり」は、「塔のようにそびえ立つ断崖」という意味です。
特徴:約100万年かけて侵食と風化によって形成された塔状の奇岩群が、大川(阿賀川)沿いにそびえ立っています。
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🏞️ 見どころ
塔のような断崖:凝灰岩の岩壁が塔のように立ち並び、幻想的な景観をつくり出しています。
吊り橋(へつり橋):観光客用にかかる吊り橋を渡って、断崖の中腹にある洞窟や仏堂(虚空蔵堂)に行くことができます。
四季折々の風景:
春:新緑
夏:涼しげな渓流美
秋:紅葉が美しい
冬:雪化粧の断崖が幻想的
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🚃 アクセス
電車:会津鉄道「塔のへつり駅」から徒歩約5分
車:会津若松市から車で約1時間
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📝 備考
国の天然記念物に指定されています(1943年)。
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