米代川桜鱒_それは僕にとって長年の目標であり、願いでした。
5年間、秋田・米代川という大規模本流に挑み続けて、ようやく出会えた。
出来すぎた本流釣果:合計3本。
その瞬間、肩に乗っていた見えない重圧がすっと消えていきました。
本流の釣りは、自分にとって決して得意な分野ではありません。普段は、誰もいない山奥の渓を歩き、静寂の中でひとり鱒と向き合うスタイルが主戦場。アメリカはロッキー山脈北上、カナダBC州アラスカ直下まで、そして日本の山岳&渓流を10年間以上〜全開で旅してきた僕にとって、地図と地形、水の匂いを頼りにする「直感」こそが武器でした。
しかし、米代川のような大河におけるサクラマスとの駆け引きは、まったく異なるスキルが求められる世界。大河の中でのピンポイントの精度、ディープ&MDルアーのコントロール性、そしてロングキャストの世界。雪代、代掻き、日々の水嵩の変化への即応力、そして「今、どこに鱒がいるのか!?」を見極める経験値。それらを身に付けるには、時間も労力も、そして謙虚さも必要。
今回の釣行では、地元の知人アングラーとともに行動する時間もあり、多くの知見とヒントを得ることができました。彼のように毎日この米代川を見て、水の色と流れ、自然の変化を肌で感じながら釣る姿勢はまさに「本流に生きる釣り人」そのもの。僕自身新たな学びの扉が開かれた実感があります。
念願の本流での目標を達成した後、僕が最も心を揺さぶられたのは、追加のもう1本、ある渓流支流での出来事。
大雨後の増水、冷え込んだ水温、そして沈みきった鱒たち。ロッドは個人的にテストしている本流用の8ftやそこらの、渓流では長すぎるものでしたが、もしあの場に、GH開発中の「パワーベイトフィネス」プロトロッドがあれば…まさか!!?このシチュエーションに出会えるとは思っても無く、今回は持って来てない…。
僕にとってこの“渓流でのサクラマス”こそが、昨年度秋に経験しているカナダでの渓流サーモンベイトフィネス同様に、今後、自身スタイルの核心になりそうです。静かな山あい、音のない世界に差し込む1本の銀ピカの輝き。そこに、僕が追い求めてきた釣りの原点と未来があります。
来季は、こうした「渓流ベースのサクラマスゲーム」にフィットするロッド、ルアー、この様なフィールドをメイン軸に釣果を入れていきたいと考えています。大規模本流での挑戦は、あくまで“通過点”。僕の目指す釣りは、その先の「山あいの静けさ」にあります。
ありがとう、ローカルアングラー&秋田。
ありがとう、新しい発見の渓流。
この出会いが、僕を次のフィールドへ導いてくれる。
コメント