人気の観光地としても知られるこの場所で今、ある火種が。それは…。
西臼杵漁協・矢野文昭組合長「高千穂峡で、釣りもやってはどうかという声が数年前から出てきてましたので、今回思い切って実施してみようかと」
宮崎・高千穂町 甲斐宗之町長「釣りざおなど振られた場合の危険も、ともなうんじゃないかというところ」
漁協側と町側とで、意見が2つに割れていた。
2日の土曜日、宮崎県有数の観光地「高千穂峡」には多くの観光客が訪れ、大自然の渓谷を遊覧できる「貸しボート」を楽しんでいた。
この「貸しボート」乗り場へと続く遊歩道を見ると、「貸しボート乗船以外の方の立入りを禁じます」と書かれた看板が設置されている。
町側が懸念するボート以外の利用者というのが“釣り人”。
宮崎・高千穂町役場 企画観光課・安在浩課長「きのう（1日）はヤマメの解禁日だったので…」
高千穂峡を流れる五ヶ瀬川で、漁業権を持つ「西臼杵漁業協同組合」が、これまで慣例的に控えてきた、日中の釣りなどの漁業活動をヤマメ漁解禁日の1日から始めた。
しかし、町側は景観の神秘性への影響や、観光客に危険が及ばないかなどを懸念し、釣りなどは控えてほしいと意見が割れることに。
宮崎・高千穂町役場 企画観光課・安在浩課長「釣りの関係で、ボートの運航ができなくなったりすれば、楽しみが半減してしまう、影響が出てくると思ってます」
そうした中、釣りができることを聞きつけた釣り人は、早速ニジマスを釣っていた。
釣り客「釣り人がマナー良くやらないと、すぐ出入り禁止になっちゃうんで、迷惑かけないようにですね」
しかし、ヤマメ漁解禁後、初の週末となった土日には、高千穂峡で釣り人は見あたらず、釣りを楽しむ人は5km以上離れた下流にいた。
釣り人「個人的には、人目もあるし入りにくいから、釣り人は少ないとは思う。解禁になっても」
町の反対を受け、釣り人からも敬遠される高千穂峡。
なぜ漁協は、それでも釣りを認めたいのだろうか。
西臼杵漁協・矢野文昭組合長「逆に考えてみてください。釣り人があの背景で釣り上げて、ものすごく風情があるし、大きな思い出になってくると思う。そういった人のためにも、わたしはあってしかるべきかなと思っております」
コメント